人生訓と格言
格言は
始めに末を思い、進むに退(しりぞ)くを思えば禍(わざわい)を免(のが)れん。
裸(はだか)にて、生まれて来たに何不足。
小林一茶
人間は皆はだかで生まれてきたのだから、そのままで何も不足はないはずだ、という、赤貧に甘んじて俳句をつくり続けた一茶らしい句です。
八百の、嘘を上手に並べても、真(まこと)一つに適(かな)わざりけり。
晴れてよし、曇りてもよし富士の山。
幕末の政治家・山岡鉄舟が剣の悟りを得た時に詠んだ歌です。「人はとかく自分の不幸を周囲の環境のせいにしがち」と指摘し、「本来あるべき自分をただそのままに生きていけばいい」と説いています。
格言ひ
一(ひとつ)失うは、一得るなり。一得るは、一失うなり。
一歳(とせ)を十二の段と心得て、この一段を心して踏め。
他人(ひと)に求める心は、失望と愚痴しか生まない、他人(ひと)に与える心は喜びと賞賛を生ずる。
他者(ひと)の痛みを知るは、大力量の人なり。
他人(ひと)の一寸は見ゆれど、自己(おのれ)の一尺は見えず。
他人の欠点は小さなものでも目に付くが、自分の欠点は大きなものでも気づかない、という意味。
人の字は、もたれ掛かるに非ずして、互いに支(ささ)え、立たしむるなり。
人は、花の如くに作るべからず、大根 菜っぱの如くに作るべし。
人、若(も)し其(そ)の職務を尽くさば、王侯と対見すべし。
人を待(たい)するに一分を寛(ゆる)うする、これ福(さいわい)なり。
世渡りをするには、先を争う時、人に一歩譲る心がけをもつことが尊い。この自分から一歩を退くことが、とりもなおさず後に一歩を進める伏線になる。人を遇するには、厳しすぎないように、一分は寛大にする心がけを持つことが良い。この人のためにすることが、実は自分のためになる土台となる。
開こう!心の扉、ニコニコ笑顔に、気軽な挨拶。
格言ふ
佛道は理想にあらず、眼前の一歩、これ最要なり。
格言へ
勉強が苦手でも、スポーツが不得意でもいい、皆、大切な御佛の子、ひねくれず、落ち込まず、素直で優しい人になりなさい。
偏(へん)すれば害多し、調和これ肝要なり。
便利と横着紙一重、鍛(きた)えなければ、ぼんくらになる。
格言ほ
佛とは、ただ仮り初(そ)めの、 名なりけり、慈悲は佛の形なりけり。
至道無難(しどうぶなん)禅師
臨済宗中興の祖といわれる白隠(はくいん)禅師の法の上の祖父にあたる至道無難禅師は、誰にでも分かるやさしい言葉で禅の核心を説いた人です。
微笑(ほほえ)みは、いつでもどこでも誰にでも。