永代供養 樹木葬について
学生時代は動物行動学を志し、山登りに明け暮れておりました。
ある時、道に迷い、私たちの傍らを行き過ぎた車が、わざわざ戻って来て、助けてくれたことがありました。
見ず知らずの方が手を差し伸べてくれた、そんな出来事を以後思い出すたびに私は、何故だか無性に幸せな気分になるのでした。
この多幸感は何か。
人が無償でしてくれたことに対する感謝、喜び、そして根源的な人としての在り方。
休暇を終え、大学に戻ってもその喜びは消えません。
人生は、自分が楽しいことも大切ですが、ほかの誰かに喜ばれることも自分のこと以上に嬉しいことなのだと悟りました。
そして、根底から自分の人生を変えてしまうような出会いは、予期せぬ時に、偶然のように、ゆっくりと静かにやってくるものだと知りました。
その考えに何度も何度も思いを巡らし、自分が生きて今あることの意義を考えました。
「そうか、人は、自分の優しさを使うために生きているのだ。」
そう気づいてからは寺を継ぐことに心を決め、もう迷うことはありませんでした。
誰かに対して優しさを使っている時が、人間の真の幸せ。
他者の喜びに、笑顔のために私の全てを使おう。
永代供養森林葬という発想も、自分さえ良ければい、という生き方では決して本当の安らぎは得られないと思います。
自分の眠る森が木々を喜ばせ、鳥たちを喜ばせ、人々に澄んだ空気を届け、永遠に楽園としてあり続ける。
そんな理想を、是非皆様にもご理解いただけたら、と願っています。
近年、森林葬はマスコミなどでも紹介され、脚光を浴びております。
岩手県に始まり、千葉、山口、静岡各県などでも行われ、既に多くの埋葬が実施されていますが、その多くが人里離れた寂しい山奥であることが私には残念でなりません。
明るい林の中で、生命とともに永久の眠りにつく「碧雲の森」のこと、あなた様ともゆっくり、お話したいと思います。
